2009年08月04日

癒す、ひと

運動不足と座りっぱなし、コンピュータのモニタを睨みっぱなしの
生活が祟り、肩や腰はけっこう凝るほうです。

なので、マッサージ、よく行きます。

先日マッサージして頂いた女性が、全身を使うようにして
とても熱心にやってくださって、おもわず質問してしまいました。

「体を酷使するお仕事で、たいへんではありませんか?」
「お仕事されていて、楽しい!ってお感じになるのは、どういうときですか?」

マッサージされながら質問することでもないような気がしますが(汗)
とっても一所懸命やってくださるので、
彼女のモチベーションの源を知りたくなってしまったんですよねぇ。

そしたら彼女

「マッサージをしていて、凝っているところは『ゴリゴリ』と手応えがあります。
 それをみつけて、つぶしていくときは快感なんですよねぇ。
 ほぐれていくと、すごく嬉しいですよ。
 洗濯ものを干すとき、白くなってるなー、と思う気持ちに似ていますね。」

だって。

「もちろん、お客さんが楽になったと言って下さるのも嬉しいですね」

後からの回答が、最初に来ないところが良いな、と思いました。

ひとを癒すお仕事だから、
人から感謝されるのも嬉しいだろうし、
人のためになるのも嬉しいことなんだろうけれど、
まずは、自分の快感のため。

なんだか、素敵じゃありません?

また彼女にお願いしよう、と思いました。
        
      
posted by トリカラ at 18:32| 【勤労淑女録】 

2007年09月03日

ひまわり PART1

初めて彼女を見たとき、「まっすぐ育ちました!」って感じの人だな、と思った。
正義感の強い優等生、いつもクラスのリーダー役。
たしかに中学での彼女はそんな存在だったらしい。しかし高校でそれが変わる。

「高校の時、大きな挫折を味わったことがあるんです。
 中学までは「勉強もスポーツも、何でもできる子」だと
  周囲の注目を浴びていたのに、
 井の中の蛙だったと思い知らされたんです。」

●その挫折は あなたに どんな影響を及ぼしましたか?
「当時は、かなり荒れてたと思います。」

荒れたといっても、非行に走ったわけではない。ただ、強い挫折感を味わって
自分の将来に希望を描けなくなっていた。自分に自信を失っていた。

高校卒業後は、今で言う"フリーター"になった。
母親の女手ひとつで育てられ、大学進学は贅沢なことにも思えていたし、
いまの自分に何が出来るとも、何かをしたいとも思えなかった。
その場しのぎにアルバイトをするだけ。しかしあるとき、ふと思う。

いまの自分は、"どん底"であり"最低"だ。だからあとは這い上がるだけ・・・・
その瞬間、なぜか気持ちが明るくなった。

彼女は夜間の大学を探した。
合格し、入学許可書を母親に見せ、昼間働いてお金を入れるから
夜間大学に行かせてください、と頼んだ。
母の答えは意外だった。

「なぜ、昼の大学に行かないの?って言われました。
 えっ、行っていいの?って思わず大声を出していました。
 あたりまえじゃないの、と母は言いました。」

彼女は結局夜間の短大に入学し、3年目に昼間の4年制の大学に編入し、卒業した。
いまはその大学で進学指導のスタッフとして働いている。

「今から思えば、あの挫折があってよかったと思うんです。
  自暴自棄で最低の状態になっちゃったけど、
 私はそこから抜け出すことが出来たんですよね。
  これからも自分はきっと大丈夫だっていう気がするんです。」

多感な時期に自分への自信を失って、なんとなく流されてフリーターになる、
よくあることだと聞きながら思っていた。人間は楽なほうに流れるものだろうと。

でも、話が進んでいくと、そうじゃないような気がしてきた。

彼女を「後は上に上がるだけ」と思わせたのは何なのだろう?何が彼女の背中を
押したのか?


part2に続く。


posted by トリカラ at 07:42| 【勤労淑女録】 

ひまわり PART2

彼女に、いまの仕事についての想いを聞いてみることにした。
●あなたが仕事をしていて「ああ、嫌だな」と思うのはどんなときですか?
「もっと効率よく、仕事の精度を上げていきたいと思うんですが、、、」

自分がこうすれば良くなる、と提案したことが確かな成果を上げたときは
誇らしさでいっぱいになる。自分は仕事が好きなんだなぁ、と思ったりする。

しかしそうした行動は、古参の穏健派としばしばぶつかる。
考えに考えた提案をつぶされたり、下らない苛めを受けたこともある。

「私は、大学が良くなること、利益を上げたり、世間の評価が高くなったり
  するにはどうしたら良いかってことを、本気で考えているつもりなんです。」

「正直なところ、大学ってところは民間企業にくらべてなまぬるい環境です。
 管理職者は、仕事を部下に割り振ることが一番の仕事だと思っているように
  しか思えないし。
 プレイングマネージャーを実行している管理職者は数人いますが、
  異端児扱いされているし。
 このままでは、いけないと思っているんですよね。
 だからせめて自分だけは、甘えないようにしよう、
 エンプロイアビリティを保とうと固く心に誓っているわけです。」

それでも、腹が立って腹が立って、もう退職してやろう!と思うこともある。
●辞めてやる!、という気持を思いとどまったのは何故ですか?
「その話を友人にしているうちに、だんだん落ち着いてきて。」
辞めたいわけじゃない、と、気づいたと言う。

本当の望みは、大学が良くなること。やっぱり自分はこの大学が好きだし、
良くなって貰うのが一番嬉しいんだ、と思った。

同時に、若くして出世した先輩がとても心配してくれていたことがわかった。
「オレみたいになるぞ、もっと気をつけてやれって言ってくれて。」

ああ、自分は孤立無縁ではない、敵だと思っていた人がそうではなかったりも
するんだ。そう思ったら、がぜんやる気になってきた。

「今は、別の方法で再トライしてやろう、という気になっています。」

ここでも彼女は楽なほうに堕ちていかない。周りの無理解に怒り、
不満を言うだけになるような、そんなふうには流されていいかない。

なぜなんだろう?

ひまわりPART3に続く  

posted by トリカラ at 06:59| 【勤労淑女録】 

ひまわり PART3


●落ち込んだ時でも、あなたは常に上(前)を見ようとしているように思えます。

「努力し続けていれば、必ず誰かが見ていてくれて、
 いつか認めてくれると信じているからかもしれません。
 それがたった一人でもいいじゃないかって思うんですよね。

 私は基本的におだてに弱くて、誰かが励ましてくれたり、
 誉めてくれたりするとがぜんやる気になっちゃうんですよね。
 たまたまいつもそんな人がいてくれたから、なんとかやって
  来られたんだと思います」


●どうしてそういうことが出来るのでしょうか?

「常に誰かに認められたい、
  信頼されたいという気持ちが人一倍強いのかもしれません。

 これはきっと、子供の頃に培われたのかもしれませんね。
 一人っ子であり、虚弱で、しかも父無し子だったせいか、
 幼少(2〜6歳)の頃は結構いじめられっ子でした。
 でも手先だけは器用でした。

 なにかひとつ特技があって、周囲に頼りにされれば阻害されることはない、
 つまり、いじめられることはないことを知りました。」

それを知ってからの彼女は、小学校に上がってからは運動能力、
社会人になってからはコンピュータを扱う能力と
使うスキルを変えながら、周囲に存在感を示してきた。

「組織の中で常に『いてもらわなくてはならない人』でありたいと思います。
 そのためにどんな些細なことでも新たな秀でる面を探して磨き続けるしかない
  と思っています」

彼女は、ひとつひとつ、一所懸命に語ってくれた。
話を聞きながら、なぜか彼女のお母様の姿が目に浮かんだ。

彼女のお母様は、きっといつも彼女を"見ていてくれた"のだろう。
いじめられた幼少時代も、失意の10代も、フリーター時代も。
彼女が自分で戦いかたを覚えれば褒め、失敗しても娘を信じて、
じっと見守っていたのだろう。

そして大人になった今も、彼女の周りにはいつも、"見ていてくれる"人がいる。

だから彼女は流されていかない。"見ていてくれる人"の視界に留まろうとする。
光の当たる方向へ伸びていこうとする。

彼女と話していると、周囲の"見ていてくれる"人の気持ちが、ちょっと判る。

彼女は太陽に向かって伸びる植物みたいに、いつも前へ、前へと頑張っている。
頑張っている人を見ると、自分も頑張ろうと思う。
頑張っている人が成果を上げると、見ていたこっちも嬉しくなる。

そして頑張っている人が萎れてしまうと、見ていたこっちも悲しくなる。
でも、過剰な応援や手出しは無用。彼女はちゃんと自分で立ち直る。

そして、ちゃんとこちらの視界のなかで、太陽に向かって大きな花を咲かせて
くれるだろう。


Fin.

posted by トリカラ at 05:09| 【勤労淑女録】